ドラマ『美食探偵 明智五郎』いまさら最終回感想 もちろんネタバレ②
ラスト、マリアは海沿いの崖まで追いつめられる。
そこいるのは明智とマリアだけ。
そして苺がようやく駆け付けた時、残っていたのは明智だけ。
マリアと明智の間に何があったのか。
その後、とつぜん明智は探偵を辞めると宣言。
苺は、もしかしたら明智がマリアを殺してしまったのではないかという疑念を持つが、それを明智に問うことはしない。
明智はマリアを殺したのか。
まあ、視聴者の判断次第といったところだろう。
選択肢としては、
①明智はマリアを脅威に感じ、後顧の憂いを残さないように崖から突き落とした
②明智は止めようとしたが、間に合わずマリアは崖から落ちた
③マリアが崖から飛び降りるのを、明智はあえて引き止めなかった
④マリアが明智を道ずれに、崖から飛び降りようとしたので、明智はマリアを突き飛ばしてしまい、結果としてマリアは転落死した
くらいだろうか?
①はないかな・・・
ウエットな日本の探偵ドラマの主人公としては、ちょっと斬新すぎる。
明智はクールではあるけれど、そこまで冷徹な人間には見えなかった。
①なら、彼はボーダーを飛び越してしまったことになる。
それはそれで面白いけれど。
②も私的には、ないな。
ごく真っ当すぎるし、明智にはほとんど非がない。
それではつまらない。
③か④か。
③がいいかな。私なら。
もし④なら、マリアは明智に自分をわざと突き落とすように仕組んだのだと思う。
自分のことを忘れさせないように。
どちらにしろ、明智はマリアの記憶と生きるしかない。
このドラマの面白いのは、ドタバタコメディの探偵ものなのに、ちょっとグロテスクで、最後にあいまいさを残したところだと思う。
このクールで変わり者だけれど、優しいところもある元探偵は、人を殺したのかもしれない。
だけど元気そのもののヒロインはそれを問うことはできない。
マリアの存在は、二人の心に屈託を残してしまった。
それなのに、探偵を辞めた明智は、なぜか明るい。
苺と一緒に弁当屋(?)をやると言っている。
不思議で面白い。
最後の最後のシーンで、なぜか明智とマリアとマリアの手下たちの一家団欒の場面がでてくる。
一瞬、私はマリアが生きていたのかと思った。
明智は上手く皆をだまして、マリアをどこかにかくまい、二重生活をしているのかと。
でもすぐに、ありえないと気付く。
その中に死んだはずの人がいるから。
あれだけの警察の前で死んで、死体も残っているであろう人間の死を偽装することはできないだろう。
あれは、死にゆくマリアの夢想か。
明智が以前、行方不明になっていた間の現実を、マリアが回想しているっていう可能性もあるか。
どちらだろう。
そのあたりもあいまいなまま、このドラマは終わった。
このドラマは続編を作るのだろうか?
もし作るとしたら、答えがでてすっきりするかもしれない。それもいい。
作らないのだとしたら、まあ勝手に想像すればいいってことだろう。
個人的には、仕事で迷子の猫をさがしているときの、明智の声がツボだった。
やさしそうで。
あれは中村倫也の声か。
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